腹筋を鍛えるというと、「パキパキに割れたかっこいいお腹」を想像するという方もいると思います。男性なら割れた腹筋もかっこいいですが、女性の場合はちょっとそこまで…ですね。ですが腹筋を鍛えることで、バストアップ効果やウエストのくびれを作ることもできるんです。女性には女性に合った腹筋の鍛え方があります。今回は女性らしいボディラインになれれる腹筋の鍛え方をご紹介します。

腹筋の構造と働き

腹筋とはおおまかに言うと、お腹にある筋肉のことです。腹筋は一つの筋肉ではなく、複数の筋肉で成り立っています。美しいボディラインになるために鍛えたいのは、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋の4つです。すっきり引き締まった魅力的なお腹周りを手に入れるには、この4つの腹筋をバランスよく鍛える事が重要です。

「腹直筋」の構造と働き
腹直筋は表層にある筋肉で、お腹のど真ん中を縦に覆っていて、体の曲げ伸ばしに使われます。腹筋の中で最も大きな面積をもつ腹直筋を鍛えると、6つに割れたかっこいいお腹を作ることができます。また、表層部にある腹直筋は、鍛える事で劇的に見た目が変わるので、腹筋を鍛える際は、特に重要視される部分です。

「外腹斜筋」「内腹斜筋」の構造と働き
女性らしいくびれを作る筋肉が、外腹斜筋と内腹斜筋です。肋骨から骨盤に向けて斜めに伸びている筋肉で、体をひねる動きをする際に使う腹筋になります。外腹斜筋と内腹斜筋は、横腹に丁度コルセットのようについており、内臓や骨盤を支える役割も担っています。この二つの腹斜筋を鍛える事で、よりメリハリのある魅力的なシルエットを手に入れることができます。

「腹横筋」の構造と働き
お腹の最も内側にあるのが腹横筋で、お腹の中心部分から横に向かって内臓を覆っています。腹横筋は内臓を保護し、姿勢を安定させる働きがあり、腹横筋を鍛えることでポッコリお腹を解消することができます。また、腹横筋を鍛える事は体幹を整える事にもつながり、見た目だけでなく動作全般の改善にもつながります。尚、腹横筋は、腹斜筋とともに腰のくびれを作る役割も担っており、腰痛改善に効果があるのもこの筋肉です。

腹筋を鍛える効果

腹筋を鍛えることで様々な効果を得ることができます。

1.ウエストにくびれができる
腹筋を鍛えるとウエストにくびれを作ることができます。特に外腹斜筋をしっかりと鍛えるとウエストがくびれ、メリハリのある女性らしいボディラインを手に入れることができます。魅力的なボディラインは実際にウエストやヒップが何センチかより、美しいバランスである事が重要です。腹筋を鍛えくびれを作る事で、引き締まった魅力的なシルエットを手に入れましょう。

2.姿勢が良くなる
腹筋の筋力が弱いと、骨盤や姿勢のゆがみにつながります。姿勢が悪くなると、ポッコリお腹などが気になるようになってきます。また、血行不良や冷えなどの不調もあらわれるようになります。腹筋を鍛えることで、腹筋と背筋のバランスが取れて、姿勢が良くなります。姿勢が良くなるとスタイルがよく見えるだけでなく、実際の年齢よりも若く見えるため、特に女性にとってはうれしい副産物といえます。

3.基礎代謝量がアップする
腹筋を鍛えることはインナーマッスルを鍛えることにつながります。インナーマッスルを鍛えると、基礎代謝量がアップし、何もしていないときでも消費するカロリーがアップしますから、太りにくく痩せやすい体になります。ダイエットをしてもなかなか痩せないという方は、加齢や生活習慣など様々な原因で、基礎代謝量が下がっている可能性があるので、腹筋を鍛える事でより効果的に理想の体型に近づくことができます。

4.腸内環境が整う
腹筋と腸内環境は別物のように感じますが、決して別物ではありません。腹筋を鍛えることで、腸の動きが良くなって便秘解消へつながります。腸内環境が整えば、老廃物が蓄積することを防げますし、美肌にもつながります。

5.生活習慣病を予防できる
腹筋を鍛えて内臓脂肪を減らすことで、血管に内臓脂肪が入り込むことを防ぐことができます。糖尿病などの生活習慣病は、血管に入り込んだ内臓脂肪が発病の因子になりますから、内臓脂肪を減らすことは、生活習慣病を予防することにもつながります。

6.バストアップできる

バストアップしたいという方は、バストマッサージの方に重点をおいている場合が多く、腹筋を鍛えてバストアップをしようと考えている方は少ないでしょう。腹筋はお腹の脂肪をスッキリさせるだけではなく、骨格や内臓にも影響があります。腹筋の筋力が低下して猫背になってしまうと、血流が悪化したり、筋肉が硬くなったりしてバストが小さくなってしまうことに。バストアップを目指すなら腹筋は真っ先に鍛える筋肉です。

腹筋を鍛えるときの注意点

腹筋を鍛える時は、ただ闇雲に行っても思い通りの効果が得られないばかりか体に思わぬ負担をかける危険もあるため注意が必要です。

すぐに結果を求めない
腹筋を鍛える事は毎日の積み重ねなので、短期間で集中して行っても結果は伴いません。また、くびれやバストアップの効果を早く得たいために無理な腹筋運動をすると体に大きな負担がかかってしまい危険です。効果を実感する目標を3カ月後位に設定し、地道にエクササイズをすることが大切です

正しいやり方を守る
腹筋を鍛える中で最も多いのが、腰を痛めてしまうケースです。腰を痛めてしまうと日常生活にも支障が出ますし、腹筋を鍛えることも一定期間ストップしなければなりません。そうならないためにも、我流のトレーニングをしない事も大切です。腹筋を効果的に鍛えるには、回数よりも如何に正しい動作でトレーニングするかがポイントです。最大限の効果を得るためにも、基本動作をしっかり守り、鍛えるよう心がけましょう。

適切な環境で行う
腹筋を鍛えるトレーニングでは、床に寝た姿勢で行う物も多いので、身体に余計な負担をかけないよう注意も必要です。硬い床の上でのエクササイズは、腰や背中を傷める原因になるため、マットなどきちんと敷いて工夫をすることも大切です。

腹筋を鍛える方法〜初級編〜

最初から高度なトレーニングを取り入れると身体に余分な負担がかかる可能性があるため、初心者は簡単なメニューから無理せず始めていきましょう。

腹直筋を鍛える方法

  1. 床に仰向けになり膝を曲げて腰幅に開きます。
  2. 両腕を膝の方へ伸ばし、ゆっくりと上半身を起こし、膝を触り、元の位置へ戻ります。

腹斜筋を鍛える方法

  1. 床に仰向けになり膝を90度位に曲げて腰幅に開きます。
  2. 右手で左の膝に向かって斜めに捻るように上半身を起こし、膝を触れば元の位置へゆっくり戻ります。
    反対側も同じように行います。

腹横筋を鍛える方法

  1. 床に仰向けになり膝を曲げて腰幅に開きます。
  2. 両手を頭の後ろで組みます。
  3. 肩甲骨が上がるくらいに上半身を起こし、上半身をキープしたままで頭から両手を離して、真横に床と水平になるようにまっすぐ伸ばします。
  4. ゆっくりと元に戻ります。

いずれも勢いをつけて上半身を起こすのではなく、腹筋に力を入れてゆっくりと行うのがポイントです。

腹筋を鍛える方法〜中級編〜

腹筋を鍛える事に少し慣れてきたら、高度な方法も徐々に取り入れていきましょう。

腹直筋を鍛える方法

  1. お尻を付けて床に座り、肘を軽く曲げて両腕をお尻後方につき上半身を支えます。
  2. 両脚を上げ、両膝をそろえて軽く曲げておきます。
  3. 両膝を胸に引き付ける感覚で、背中を丸めながら膝を胸につけます。
  4. 1秒位静止した後、床に足を付けずに脚を伸ばし元の位置に戻ります。

腹斜筋を鍛える方法

  1. 両脚をそろえ、全身をまっすぐ伸ばして横向きに寝ます。
  2. 肩の真下で上腕が垂直になるように肘をつき、前腕を前方に出し身体を支えます。
  3. 頭部から背骨、脚までが真っ直ぐになるよう腰を浮かし10秒静止します。
  4. 10秒×3セットから始め、慣れてきたら時間を伸ばしていきます。

更に慣れてきたら、上側の脚をまっすぐ伸ばしたまま持ち上げ、ゆっくり戻す動作を加えれば、腹横筋に加えお尻の筋肉の引き締め効果もあります。

腹横筋を鍛える方法

  1. 仰向けに寝て片膝を立て逆の脚をまっすぐ伸ばします。
  2. 伸ばした方の脚を、膝を曲げないよう注意しながら腰から一直線になるよう持ち上げます。
  3. 腰を上げたまま床にぎりぎりの所まで足を下ろしていきます。
  4. 床に腰を付けないようにしながら同じ動作を10回程繰り返します。
  5. 左右の足を変え反対側も同じように行います。

腹筋をより効果的に鍛えるには?

腹筋をより効果的に鍛えるためには、トレーニング以外にも注意すべき点があります。

体を冷やさない
腹筋を鍛えると基礎代謝量が上がりますが、体を冷やしてしまうと逆に基礎代謝量が落ちてお腹周りの脂肪が取れにくくなるため注意が必要です。体を冷やさないよう、冷たい物を多量に摂取することは避け、お風呂もなるべくシャワーではなく湯船に浸かり体を温めるようにしましょう。

有酸素運動をプラスしよう
腹筋を鍛えるエクササイズに、有酸素運動をプラスするのがおすすめです。腹筋を鍛える無酸素運動と違い、有酸素運動は脂肪を燃焼させることができます。無酸素運動のあとに有酸素運動を行うことで、脂肪を燃焼しやすい形へと変化させてくれるホルモンが分泌されるため、脂肪燃焼の効率がアップします。

毎日の食生活にも気を配る
様々な腹筋のトレーニングを頑張っても、不健康な食生活をしていると効果は表れません。食べすぎ飲みすぎに気を付け、バランスの良い食生活を心がける事も美しいボディラインを手に入れるためには必要不可欠な努力です。また逆に、短期で結果を出そうと、無理な食事制限をすると筋肉がつかないばかりか健康を損なう可能性もあります。毎日の食事にも気を配りながら、無理のない形で理想の腹筋を手に入れる努力をすることが大切です。

女性向けの腹筋を鍛えるエクササイズを効果的に行い、美しく魅力的なボディラインを手に入れましょう。